月次情報とは 


月次情報とは、企業が毎月の売上状況を暫定的に集計した売上速報のことです。
決算は、四半期、半期、年度毎に発表しますが、月次情報は毎月公表されるため、直近の状況の把握に役立ちます。
主に小売業界の企業が公表することが多く、既存店舗売上情報と全店舗売上情報があります。
(すべての企業が発表しているわけではありませんし、発表時期が毎月異なることがあります)


【既存店売上】

新規出店した店舗を除いた既存の店舗の売上高を表します。
定義としては、開店後13か月経過すると既存店となります。
この既存店の当月の売上高と前年同月の既存店の売上高を比較して、成長しているか否かを判別します。
例えば、2000年1月の売上高が10億円の既存店が
2001年1月に売上高12億円へ増えた場合、『120%』または『+20%』と表現します。
(この表現は、企業によって異なります)
この既存店売上が増えている場合、この事業が成長している可能性が高まります。
※ただし、同時に不採算な店舗を閉店している場合には、
 決算の売上高が必ずしも増収にならないこともあるので注意して下さい。


【全店売上】

既存店の際に除外した13か月経過していない新店舗を含めた全店舗の売上高を表します。
この全店舗の当月の売上高と前年同月の全店舗の売上高を比較して、
新規出店と退去した店舗も含めた売上高の成長を判別します。

この既存店売上と全店売上の両方を見比べて分かることがあります。
一例をあげると、全店売上が+10%であった場合でも、既存店売上が▲2%の場合、
新規出店による効果で増収になっているが、実態はあまり好ましくない状態である場合などの把握に役立ちます。


【客数と客単価】

既存店売上、全店売上の内訳として、客数と客単価があります。
客数は、店舗にどれくらいの顧客が来店したかを前年同期と比較して測る指標です。
客単価は、顧客一人当たりの販売単価を前年同期と比較して測る指標です。


※既存店売上や全店売上を把握することは、直近の企業の状況把握の手がかりにはなりますが、
 必ずしも株式市場がポジティブ/ネガティブに反応するとは限りませんので、参考値程度として参照しましょう。