目次 Index
新規上場・IPO時の
チェックポイント
AI分析
AI-Analysis
■AI分析
IPOの情報をAIが統計的に傾向を分析。
5に近いほど公募価格に対して初値の上昇率が高い傾向を示す。
人気基準 |
スケール基準 |
公募売出基準 |
上場基準 |
市場環境(公募期間) |
事業性基準 |
4 |
1 |
1 |
1 |
3 |
5 |
※傾向の分析であり、結果を保証するものでは一切ありません。
株式の購入や売却等を勧誘するものではなく、また、投資アドバイスでもありません。
※詳しくは免責事項を確認ください。
■AI分析チャート
<IPO条件の傾向が近い過去上場の銘柄群>
名称 |
初値 変化率 |
| +25.8% |
| +6.6% |
| +6.8% |
| +18.2% |
| -4.4% |
| +45.5% |
会社概要 CompanyOverview
- 会社名称:シンプレクス・ホールディングス
- 概要:コンサルティングサービス、システム開発、運用保守です
- 業種セクターは、情報・通信業です
- 東証1部に上場予定です。
- 企業規模は、(上場前)想定時価総額が、
(公募増資前)約782億円 (公募増資後)約782億円です
- 主幹事証券会社は、SMBC日興・みずほです。
https://www.simplex.holdings/
まとめ Summary
- フィンテックを中心とするテクノロジーコンサル、システム開発のサービスを提供
- MBOによる非公開化後の再上場案件
- 筆頭株主であるPEファンドが全株売り出し(売出が100%である)
- MBO以前の金融フロンティア領域が売上割合70%、MBO後に参入した新規領域が30%
- ソフトウェア業界の平均粗利率約25%と比較して、過去5年とも約35~40%と高い粗利率である
- リピートオーダーや保守運用の割合が70%
- 2020年から子会社連結のため、売上が急増している
新規公開情報
Initial Public Offering Memo
■上場前時価総額・発行比率・希薄化比率・ロックアップ解除情報
- 企業規模は、(上場前)想定時価総額が、
(公募増資前)約782億円 (公募増資後)約782億円です
- 公募総額は、0.0億円です
- 売出総額は、357.9億円です
- 公募増資による希薄化率は、約0%です
- 売出率は、約46%です
- 発行済株式数は、(公募前)48,291,800株です、
(公募後)48,291,800株です
- 新株予約権等の希薄化株数は、12,983,425株です
- 180日ロックアップ解除(当初予定)日は、2022年03月20日です
- 360日ロックアップ解除(当初予定)日は、2022年09月16日です
■申込/購入スケジュール情報
- 抽選(申込)期間:
2021年09月07日(火)~2021年09月10日(金)
購入する権利を得るために抽選の申込をする期間
- 当選発表日 :
2021年09月13日(月)
当選とともに購入価格(公募/売出価格)が決定する日付
- 購入(申込)期間:
2021年09月14日(火)~2021年09月17日(金)
当選した際に購入の意思表示(申込)をする期間
- 上場日予定日 :
2021年09月22日(水)
■公募売出詳細情報
- 申込株数単位:100株 (当選に必要な申込金額は、162,000円)
- 想定発行価格は、1520円です
- 仮条件は、1520円-1620円です
- 公募/売出価格は、1620円です
- 上場初値は、1660円です(+2.5%)
- 公募株数は、0株です
(国内募集:0株+海外募集:0株)
- 売出株数は、22,091,000株です
(国内売出:7,731,900株+海外売出:14,359,100株)
- 国内当選口数は、77,319口です
- 主幹事証券会社は、SMBC日興証券/みずほ証券です
(当選口数が多い)
- その他幹事証券会社は、大和証券/野村證券/三菱UFJモルガン・スタンレー証券/松井証券/マネックス証券/SBI証券/東海東京証券/岡三証券です
(主幹事より当選口数が少ない)
複数の幹事証券会社に申込するとより当選しやすくなります
SMBC日興 |
みずほ |
大和 |
野村 |
三菱UFJモルガン・スタンレー |
松井 |
マネックス |
SBI |
東海東京 |
岡三 |
主幹事 |
主幹事 |
幹事 |
幹事 |
幹事 |
幹事 |
幹事 |
幹事 |
幹事 |
幹事 |
■公募売出条件履歴
|
更新日 |
想定価格 |
仮条件 |
公募売出価格 |
初期募集時 | 2021-08-19 | 1520円 | | |
仮条件決定時 | 2021-09-06 | | 1520~1620円 | |
価格決定時 | 2021-09-13 | | | 1620円 |
|
更新日 |
公募 国内海外 合計株数 |
公募 (海外割当) |
売出&OA 国内海外 合計株数 |
売出 (国内割当) |
売出 (海外割当) |
OA (国内割当) |
OA (海外割当) |
初期募集時 | 2021-08-19 | 0 | 0 | 22,091,000 | 9,604,800 | 11,045,500 | 1,440,700 | 0 |
仮条件決定時 | 2021-09-06 | 0 | 0 | 22,091,000 | 8,500,300 | 12,150,000 | 1,440,700 | 0 |
価格決定時 | 2021-09-13 | 0 | 0 | 22,091,000 | 6,291,200 | 14,359,100 | 1,440,700 | 0 |
※:( )は内訳を表す 例:公募(海外割当)の場合、公募の国内割当と海外割当があり、そのうち海外割当分を示す
事業概要 BusinessOverview
事業概要は、
銀行、証券の金融向けテクノロジーの領域だけでなく、
IT・ブロックチェーン・クラウド技術を用いることで、
生命保険、損害保険、暗号資産交換業者、その他非金融系企業の領域まで顧客層を展開しています。
連結子会社が6社あります。
事業情報 Business Memo
事業構成(または売上構成)について
FY21/03期の売上構成は、
- 64%がシステムインテグレーション
- 36%が運用サービス
- 0%が戦略・DXコンサルティング
- 0%が他
事業(または売上)について
システムインテグレーション事業は、
幅広い業種の顧客企業に対し、システムコンサルティングとシステム開発支援を行う、グループの主要サービスです。
システムコンサルティングは、ビジネスとテクノロジーに精通したプロフェッショナルが、
経営視点でのIT戦略立案やシステム開発に係る要件定義を支援します。
ビジネスの観点で必要なシステムを洗い出し、稼働後のビジネスチューニングも視野に入れた全体設計を行います。
システム開発は、システムコンサルティングを手掛けたチームが、
自ら定めた要件に沿って、システムの構築作業を行います。
グループのノウハウが集約されたSimplex Libraryを活用することで、
開発期間の短縮とシステムの安定性確保を両立した高付加価値ソリューションを提供しています。
運用サービス事業は、
システム開発支援を行った顧客企業を対象として、
システム導入後の運用保守や共同利用型サービスの提供を行っています。
運用保守は、
システムコンサルティングからシステム開発までの全工程を担当したチームが、
長期的なパートナーシップのもと、24時間365日体制のシステム運用監視や、
トラブル時の対応・復旧活動を支援しています。
DX成功の鍵をにぎる稼働後のシステム改善提案もプロアクティブに実施しています。
共同利用型サービスは、
Simplex Libraryを駆使して自ら企画・開発したシステムを、
複数の顧客に対して共同利用型サービスとして広く提供しています。
戦略・DXコンサルティング事業は、
AI・IoT・ブロックチェーン・RPA・UI/UXデザイン・クラウドなど、
最先端テクノロジーを活用した戦略立案と実行支援を行っています。
幅広い業種の経営層や経営企画部門に対し、
経営戦略・事業戦略策定、組織改革、ビジネスプロセス変革などの支援サービスを提供しています。
PICKUP
収益モデルについて:
国内IT業界における多重下請け構造ではなく、
システムコンサルティング、システム開発、システム保守運用を自社完結するモデルです。
受託開発の事業形態ですが、システムの著作権をグループ内に留保することで、
汎用性の高いプログラムをグループ内で再利用することが可能となっています。
この点がのちに紹介します、相対的に高い粗利率の一因となっている可能性があります。
利益率について:
直近の営業利益が+約33億円増加したの内訳は、
粗利益の増加が約18億円、開発費の減少が約8億円、
販管費の減少(採用費・会場研修費)が約3億円などの影響です。
粗利率が約35-40%と、ソフトウェア業界平均よりも高いです。
2021年の粗利率が過去5年で高かったため、来期の利益成長のハードルは高いかもしれません。
以下は過去5年間の粗利率の推移
顧客数について:
2017年に43社から2021年には68社まで増加しています。
今後の成長について:
2021年4月に始動した100%子会社のコンサルティング会社を中核として、
これまでシンプレクスグループが手掛けてこなかった領域における、
システム開発に紐づかないコンサルティング案件も積極的に受注していくことで、
DX案件の獲得を行っていくようです。
このDXコンサルの人材は、コンサルティングファームから採用を積極的に行っていく予定であるため、
採用コストが先行的に増加する可能性があります。
再上場について:
マネジメント・バイアウト(MBO)によって2013年に非公開化を実施しています。
米国PEファンド大手カーライルグループと刈田アンドカンパニーによる、
折半出資による買収目的会社SCKホールディングスが株式公開買付けを実施しました。
当時の創業メンバー、役員陣が約37%の公開買付応募契約書を締結していたこともあり、
2013年8月に公開買付が成立しました。
当時はリーマンショック後に成長が低迷していたこともあり、再度成長のためにMBOを実施し、
2021年9月に再上場することとなったようです。
気になるところは、公募がなく、売出が100%というところですね。
PEファンドによる出口案件と投資家がとらえる可能性があります。
一方、AIやブロックチェーンなどのテクノロジーコンサルティングが評価される可能性もあります。
非公開化後の再上場までの推移
事業が近い企業 Competitor
システムインテグレーションを提供する企業は、
- (6532)ベイカレント
- (4684)オービック
- (4307)野村総研
- (9613)NTTデータ
- (4768)大塚商会
など、この他にも多くの企業が上場しています